2022西表ヤエマル採集記 1日目(エピローグ)

初日なのにエピローグ?と思われた方も多いだろう。

前回の記事に書いたように初晩の成果は大歯9頭。

初日としては大成功と言えるだろう。

普通ならすぐにでも宿に戻りシャワーを浴びてカップ麺を、といったところだが

 

 

驚くべきことに

この夜はまだ終わっていなかった。

 

 

 

そうこれからが本番だったのだ。

 

 

 

エピローグ(初日)

 

駐車場には既にむしけんの先輩がいた。

MPさんである。

 

 

しかしどうも様子が変だった。

MPさんが語りかけてくる。

 

「応援してくれてありがとう。

Jのおかげだよ」

 

 

 

嫌な予感がした

 

 

 

僕はMPさんに一つのタッパーを見せられた。

 

 

かぽっッ

 

 

 

丁寧に開けられたタッパーの中にはある1匹のヤエマルがいた。

 

それは見たことのないサイズのヤエマルだった。

 

そいつはありえない存在感を放っていた。

 

僕はそのあまりのオーラに気圧された。

 

 

ッッッッ!!!!!

 

 

 

「何ミリだと思う?」

 

 

不敵な笑みを浮かべてMPさんが訊いてくる。

 

僕はチンパンジーサイズの脳で考えた。

 

見たことのないサイズ、つまり66㎜は絶対にある。

 

でも明らかにデカい

 

もしかして68㎜とか?

 

いやありえない

 

でもありえないくらいデカい。

 

現実とすり合わせ、僕の目ノギスは67㎜という数値をはじき出した。

 

 

「67㎜?」

 

訊いてみた。

 

 

MPさんはそんな僕を余裕で見つめ返す。

 

 

「はい、これ」

 

 

ノギスを渡された。

 

 

 

 

僕はその時点で悟った。

 

 

恐る恐るノギスを当ててみる。

 

 

 

嘘だ。。。

 

 

嘘だろ。。。

 

 

 

そいつは優に68㎜を超えていた

 

 

 

 

 

 

 

なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!!!

 

 

 

 

 

 

まったくもって意味が分からなかった。

 

68?

68?

68って、、

うそでしょ

信じられない

 

僕は驚きすぎて語彙力を失った

 

 

MPさんに頼んで手に載せてもらった。

 

重みを感じた

 

そして手に載せて分かる目がバグるサイズ感。

デカすぎる。。。

 

そう、67㎜ぐらいは想定していたのだ。

あわよくばこの手で採ってやろうと思っていた。

しかし68㎜後半は想定外だった。

 

もうあんまりにデカすぎて嫉妬すら憶えなかった。

 

みんなも同じような感じで、純粋におめでとうと祝福していた。

 

 

 

 

 

 

 

パイセンは後にこう言った

「一人だけ50mを3秒で走るやつがいた」

 

Neoさんはノギスを当てて言った

「70㎜でこんだけしか隙間開いてねぇ」

 

僕は思った

「今まで大歯だと思ってたの、みんな小歯だったのかもしれない」

 

細瑠璃は言った

「うぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉおぉっぉっぉ

うおー MP―――――」

 

 

 

この日こそが伝説のヤエマル西表島ギネス更新の夜なのであった。

一生忘れない夜。

本当に立ち会えたことを幸せに思う。

 

 

おわり