2022西表ヤエマル採集記1日目

 

本編

2022年10月23日

in石垣島

 

売店で新商品と思しきさんぴん茶ミルクティーを買い早めにフェリーに乗った。

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港に着くとパイセンと細瑠璃が迎えに来てくれていた。

パイセンは就職で北海道を離れてしまったため久々の再会となった

何とも不思議な島での再会。

お互いに現状を探りながらレンタカーは一周道路を進んでいく。

 

そして約束の場、マンゴージュースで有名なパーラー美々へ。

我々が到着してから十数分、ぞくぞくと不審な車がやってきた。

こうして、とうとう既に過半数が社会人となってしまった大学系昆虫サークル、むしけんのメンバーが一堂に会した。

 

みな全国に散っているのでここでの再会が1年ぶりだという人も少なくない。

久々の再開に多くの言葉を交わしながら、着席した。

 

早速、全員でソーキそばとマンゴージュースを頼もう、、と思ったら、マンゴージュースは残り3個しかないらしい(こんな時間に大所帯で来た僕らが悪い)

 

急遽じゃんけん大会が開かれた

 

勝者

Neoさん、パイセン、細瑠璃

 

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ぞくぞくとメニューが到着する。

「やはり、ソーキそばを食べずには始まらないっ!!!」

みんなぺろりと平らげ、記念に集合写真を撮った。

 

 

一連の会合を終え

僕らは気持ちを高ぶらせながら宿へと向かった。

 

 

宿には既に細瑠璃が滞在している。

部屋に入ると除光液の香りが充満していた。

すぐに荷物を整理して、採集準備を済ませた。

 

さあ採集である。

初日は去年見つけた、大当たりポイントに行くことにした。

64.9×2を筆頭に多くの大型大歯を恵んでくれたエリアだ。

 

駐車場に着き、準備をしているとNeoさんとポテトさんがやってきた。

折角なので途中までご一緒することになった。

 

いざ入山

既に日暮れは近く、弱い雨がパラパラと舞っていた。

 

水分をたっぷりと含んだ亜熱帯の空気

露出した赤土。

常緑樹の濃い緑色の葉。

岩盤上を流れる濁った川。

 

これだこれ

テンション上がってきた

帰ってきたぞ西表!!!

楽しむぞ!!!

 

 

やがてNeoさんとポテトさんと別れて山肌にとりついた。

GPSに残る去年のログを忠実にたどっていく。

 

日没は間近だ。

太いスダジイを眺める目に期待が宿る。

 

あふれる脳汁

どんどん理性が薄れていく

だめだ今年も結局脳汁を燃料に動くマルバネサイボーグだ。

 

まぁいいだろう

それでいいんだ

 

 どこだ

 どこだ

 ヤエマルッッ!!!

 

ウォォォォ!!!

 

 

知能はすでにチンパンジー以下である。

 

高いテンションのわりに1頭も見ることなくポイントに到着した。

 

大木の下で少し強まった雨を避けながらとっぷりと日が暮れるのを待った。

 

やがてスダジイの葉の輪郭は見えなくなった。

 

 

 

活動、開始である。

 

 

しかし、開始早々アクシデントが起こる。

ヘッドライトの調子が悪い。

取り外して良く見てみると電池ホルダーの所の留め具のツメが取れてしまっていた。

これでは勝手に蓋が開いてしまう。

はめなおしても一分もすると消えてしまった。

電池が雨でぬれるリスクもあったが、もうチンパンジーだったのでベルト部分で最低限簡易的な固定を施して出発することにした。

 

気を取り直して出発。

大木を見て回った。

 

 

 

いない

 

 

 

 

いない

 

 

 

お、少歯

 

 

最初のマルバネはやはり興奮した。

今年もこの季節が来たんだと実感した。

 

始まったのだ。。

 

 

さらに進むとすぐにヤエマルの姿が。

しかも大歯だった。

小さくガッツポーズ。

大歯を手づかみして裏に回るとなんとさらに数匹のヤエマルが!!

しかももう一匹大歯もいる。

 

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ハイボルだぁーーーーーーー!!!

注)ハイボル:ハイボルテージの略。むしけんマルバネ界隈では一本の木に多産する状況で用いられる。

 

いきなりのハイボルをかましてしまった。

逃げるはずもないのに焦ってしまう。

逃げるから、というか大歯に興奮していたからかもしれない。

 

しかし蔓にヘッドライトが絡まり、電池ケースのふたが開き電池が湿った林床に零れ落ちる。

電池を拾いはめ込むも濡れているためショートしないか不安がよぎる。

焦った手つきで蓋を閉めようとしてもなかなか閉まらない。

 

ん、、、

とりあえず諦めて放置することにした。

そう

 

僕はすでにチンパンだった。。。

 

 

代わりに手持ちライトで照らし、大歯を剥がしてケースに入れる。

ガコっとふたを閉める

 

「良いっ!!」

 

落ち着いたところでヘッドライトを修理した。

 

 

その後は周囲を巡るも大歯の追加は得られなかった。

転戦し隣の尾根にとりついた。

しかしここも振るわなかったので結局、元の尾根に戻ってきた。

 

すると

 

 

大歯!

 

大歯!!

 

大歯!!

 

 

なんと三連続大歯である。

 

 

今年の確変ゾーンはここだったか。。。

しかしサイズは伸び悩み、どれも60㎜前後。

特大はいない。

 

そのまま進んでいたら降りてきてしまったので再び隣の尾根へ。

ここでも小ぶりの大歯を重ねていく。

しかし結局この尾根でも特大は出ず、また最初の尾根に戻った。

 

特大を求める亡霊のように彷徨っていると、

中太のスダジイの樹上のうろに大きなシルエットが。

 

おおおっ

デカい!!!

 

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べりっと剥がして急いでノギスを当てると63㎜近くあった。

裏に回るとなんともう一匹大歯が。

しかも62㎜越え。

おお

これは凄い!

最高だ!!

 

 

これで大歯は9頭

初日にしては上々だ。

十分すぎる成果と言っていいだろう。

 

 

疲れ果てていたが細瑠璃との待ち合わせまで時間がないので駆け足で下山することにした。

 

下っているとポテトさんに遭遇した。

ポテトさんは2年間マークしていた木から小歯が出てきたらしく嬉しそうだった。

こういう楽しみ方もいいなぁと思った。

渋くて大人なポテトさんらしい採集だ。

僕もいずれはチンパンを卒業して大人の採集を、、なんて思う。。。

 

 

その後もさらにギアを上げて引き返すが体が言うことを聞かない。

初日から無理をしすぎたか。

 

その後は小歯や中歯をちらちら見かけるだけで大歯はゼロ。

そのまま麓に降り立った。

急いで林道を引き返し、駐車場に辿り着いた。