2022西表ヤエマル採集記7日目

2022年10月29日

 

朝細瑠璃を港に送ってそのままガソリンを入れてレンタカーを港に返却した。

 

今日は島に残っているパイセンとMPさんと僕とでチームパイセンを結成した。


大原郵便局前でパイセンに拾ってもらい帰宅。


部屋の片付けをして、パイセンとアイスの実食べながらマルバネ見た。

その後はハンモックで寝たり悠々自適な時間を過ごしたのちにチムパイでラフラガーデンへ。


ラフラガーデンでは鍬吾郎氏と合流。

初対面でちょっと緊張したが、虫オタクとは思えない陽気な方だった。

 

鍬吾郎氏おすすめの味噌カツ定食に舌鼓を打った。

MPさんにはパフェを分けてもらった。
甘いクリームが舌に染み渡った。

帰宅してからは直ぐに荷造りを済ませて
民宿やまねこへ。

民宿やまねこは強いマルバネ屋が定宿としていることで有名な、危険地帯である。

ここでMPさんと合流しスーパー玉盛で買い出しを済ませた。

 

僕はピザパンとカレーパンを購入。

 

再びやまねこのMPさんの部屋に戻り島ギネス鑑賞会が開かれた。



民宿やまねこは全体的に薄暗く、MPさんの布製スマホケースからは異臭が放たれていたこともあり、いかにも巣窟といった雰囲気が醸し出されていた。

 


日暮までは時間があったので暇を持て余したチムパイは公園へ行くことに。

 

地元の子らが遊んでいる中、大人気なく遊んだ。

 

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ジャングルジム

 

「ツルアダンやん」byパイセン

 


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有名な
山猫滑り台

 

滑り台はコンクリート製であり、露出した膝を擦って負傷した。

 

体育館でこけた時にする火傷的なアレで中々痛く、今遠征最大の傷となった。

 

 

十分満足したところで島ギネス部屋に戻った。

 

暑くて臭くて蚊も飛んでいたので、外に出て夕焼に染まった空を見ながらカレーパン食べた。

涼しい風が吹いていて気持ちよかった。

 

やがてMPさんが出てきて出発した。

 

やっと採集である。

 

今日はかつての大産地で採集することに。このエリアはかつては隆盛を極めたものの現在ではショボエリア認定されており、あまり人も近寄らないエリアである。

 

しかし、昨年パイセンはここで大歯を含む複数等を採集しており、せっかくの最終日であるというのもあり、野心的なプロジェクトとしてこの選定に至った。



いくぞ!チームパイセン!

今夜優勝するのは俺たちだ!

 

 

最終日。

皆既に成果を上げている状況。

開拓とまでは行かないがそれに近い状況。

メンバーは最後まで島に残ったもの同士。

 

これらの要因がチームの結束力を高め、若干浮き足だった雰囲気がチーム内に流れていた。

 

しかし疲れからか、正直僕のやる気はあまり湧いて来なかった。そのため、ゆるっと採集して早めに下山してMPさんとゲンゴロウでも取ろうかと考えていた。

 

林道の入り口に到着。

車を止めて歩き始めた。

林道ではひと足先にパイセンが藪の中に消えていった。

MPさんとはとある名所で別れた。

 

僕は少し歩き、立ちションして出発。

案の定ノロノロと登って行く。


太い木はあるが林内は乾燥気味でアダンもまあまあ茂っていた。
モチベも湧かず、力が入らず、時折座ったりしながら登っていった。

 

大きな尾根に合流するとちょっとだけ環境は良くなったが肝心のヤエマルはいない。

やぶ漕いだり滑ってるうちに危うくMPが0になりかけた。

 

 

と、

 

 

 

 

 

 

 

 

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まさかの大歯がいた。


かっけぇ

 

赤い

 


急にモチベが上昇した。
ここにいるなら周囲にもいるはずだ。
そう思って探したが追加は得られなかった。

 


先へと進む。
アダンはさらに濃くなり鬱陶しい。
アダンの藪に入ったり良さげなエリアに出たりを繰り返した。

 

しかし全体として乾燥気味であり、スダジイは少なくウラジロガシが多い。


一応ピークを目指して藪を漕いでいくものの、とうとう壁のようなアダンが立ちはだかり、体力も消耗していたのでここで撤退することにした。

 

電波が通じたのでMPさんにLINEをして、降り始めたが藪が濃く思うように降りられなかった。


回避ついでに違う尾根を見ようとしてもうまくいかずに結局元の道に合流した。


最後は体力温存しながら、と思っていたが、滑ったりも多くかなりメンタルも消耗することとなった。

 

やがて、大歯が取れたところに戻ってきた。

改めて周囲を見渡してみると確かにそこそこいい環境だった。しかし何もいなかった。

 

ここももうすぐダメになってしまうのだろうか。

 

ヤエマルの産地はこのようにして環境の変遷と共に移動していくのだろうか。

 

 

ともあれ、ちゃんとこのエリアのラベルの大歯が採れたのは嬉しいことだ。


1/1が60越えの大歯なのはラッキーとしか言いようがない。最終日マジックか。

 

その後は藪は薄くなってきたのでペースを上げた。


結局、途中大滑りしたり尻餅ついたりヴォアーってなったりしたが無事に下山。


しかしMPさんはいなかった。

LINEするとパイセンと別れたところにいるらしい
のでそこまで歩いていった。


脇からせり出した木々の葉はトンネルのように林道を覆っていたが、頂点がひらけていて星空が川のようになっていて綺麗だった。


戻るとMPさんはライトをつけて座っていた。

大歯を見せるといたく気に入ってくれて嬉しかった。

 

「カッケェ 」

「赤ェ」

 

同行者のこういった反応も楽しみの一つだ。

良い反応をしてもらえると嬉しかったり誇らしい。

 

 

話を聞くと、MPさんは早めに戻ってゲンゴロウを採っていたらしい。

 

お互いに疲れていたし焦る必要もなかったので、しばらく座って大歯を見たりMPさんが採ってきたオキナワスジゲンゴロウなどを見た。


羨ましかった。

MPさんは何気にサキシマヒラタも取っていた。

僕は今遠征でサキシマヒラタは取っていなかったのでこちらも羨ましかったが、MPさんとしてはやはりヤエマルが羨ましいらしい。


「ヤエマルは格が違うなぁ」byMPさん

「体積が違う」byMPさん

 

 

こうして体力も回復したところでゲンゴロウを取りに田んぼへと向かった。


しかしMPさんが言っていた通り田んぼは収穫を目前にして水が抜かれており、残された水辺といえば1メートルほどの水溜まりしかなかった。

掬ってみると、ヒメゲンは取れるもののスジゲンは採れない。

 


その後も一応周囲を探したものの水辺はなかった。

 

そう、MPさんは僕がくる前に狩り尽くしていたのだった。

 

 

田んぼの周りには糸が張ってあったが、親切なMPさんはこれは電気流れてないからから大丈夫だよと教えてくれた。

そう言って大胆に柵を乗り越えたMPさんはガッツリ感電していた。

 

 

 

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フトモモ

 


車まで戻り、マップを見て他の水田記号のある場所を見に行ったが、そこに水田はなかった。


結局林道の入り口に戻って車の中でダイナミック琉球を流して、マルバネラップ動画を見て寝た。

 

(注)マルバネラップ:カラオケの時に細瑠璃がアドリブでするラップのこと。彼の十八番であり、かなり盛り上がる。

 


約1時間後パイセンがダイナミック琉球を流しながら帰還。


ちゃんと二つ大歯取っていた。

さすがパイセンである。

 

 

 

その後はしばらくヤエマルを眺めていた。


空には雲がかかり、星は見えなかったが、ふと横を見るとホタルが飛んできた。

ぼわぁーっとした弱々しい黄色い光を眺め、最終日の余韻に浸っていると
だんだんと空を覆っていた雲がはけ始め、星空が見えてきた。

 

 

星空
ホタル
パイセンの臭い足

 

 

こうして僕等の採集は幕を閉じたのであった。

 

 

早い明日の朝に向けて荷造りを済ませて目覚ましをかけて眠りについたのは4時ぐらいだった。